出産時のトラブル説
前述「病理的要因説」との関連で、出産時のトラブルが原因のものがあります。
これは、難産や多胎出産、高齢出産など、出産にリスクが伴った場合に起こることです。
出産で何かしらのトラブルを抱えると、胎児は酸欠状態になります。
そのことで、脳損傷、脳の錐体(神経線維の束)に障害が起きる可能性が生じます。
そして、特に左脳の錐体に障害が起きると、右脳だけが活発に活動し、本来右利きの子でも利き手の認識が曖昧になり、左手を動かすようになることがあるそうです。
このことが、数少ない左利きの子を生み出す、というのです。
この説は、多くの学者によって支持されています。
その証拠として、高齢出産した親の子供ほど、左利き率が高くなっているというデータが存在するのです。
そのデータでは、29歳未満での出産で、左利きの子を出産した場合を「1」とします。
そこから相対比率を算出すると、31歳で左利き児を生む確率は1.4倍に、35歳前後では、1.6倍にもなっています。
こういったデータは、かなり信憑性が高いものとされていますが、一方で、別の研究者が、高齢出産と左利き出現率は関係ないとする統計結果をまとめていて、実際にはどちらが信憑性が高いのか、私たちには判断がつかないところです。
この出産トラブルによる左利き出現率の増加という説もまた、確定的ではなく、左利きが生まれる可能性の一つとして考えるに留まっています。
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です!
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